オモウトコロ

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ボーカリスト

日本、頼むから鎮まり給え…
 
福岡ドームでB'zファンの皆さんが色んな想いに包まれていたころ、私は連日、Negiccoちゃんのリリースイベントだったり、野外フェス「夏の魔物」に行ったりしてました。
 
福岡での出来事は当然伝え聞く限りですが、あの稲葉さんのお声が不調、10分程度の中断を挟んで見事に最後までやりきったと聞いています。
続く愛知も完全ではなかったご様子とのこと、不安だったり、好きな人が苦しむ姿を悲しんだり、やりきる姿を尊敬したり、あるいは失望したりした方々もいらしたとは思うんですが、私は今回の一件を聞いて、「ボーカリストってなんだろう」ということを考えています。
 
というのも、言い方合ってるのかわかんないですけど、アスリートさながら、「完璧にこなそうとする」姿勢の人って、よく考えたら私が良く見るバンドにはあんまりいないんじゃないかと。
 
夏の魔物」で見た、B'zと同じ30周年バンド(途中解散してるけど)、筋肉少女帯のボーカリストは、大槻ケンヂという、あの顔にヒビを入れたメイクしているひとなんですけど…
声出ないことなんか当たり前くらいの勢いでして、勝手にキー下げたり、歌詞見ながら歌ったり、あまつさえ展開忘れて「なんだっけ?!ギターだっけ?」と曲中に言ったりなんかは通常運転で、今回も「お前ら!明日からは仕事だからな!(※日曜公演)現実が待ってるぞ!」とMCして客席ドン引きさせる所業したりするんですが…
感想はいつも「いつものオーケン」で、面白かったなぁ、楽しかったなぁ、と。
 
つまりは、オーケンが歌えば、あのかなり特異な詩の世界が成立するし、何よりバンドというものを楽しんでいる雰囲気が伝わるもんでして、あの方は「これでいいのだ」の極致に達した方だと思ってます。
 
同じく、30周年(かは同じく解散してたのでちょっとあやふや)なバンド、ユニコーンを今週観に行くんですが、ボーカルは、かの奥田民生でして…あの人はめちゃくちゃ喉強い。
ソロも含めて結構な数(多分B'zより多い)観てますが、怪しかったのは1回あったかなぁ、という感じ。
ユニコーンだけじゃなくて色んなプロジェクトに顔を出すのでかなり忙しく歌いまくってる方と思うんですけど、それでも喉強い。
 
しかしですよ、公演中にビールからウイスキーからなんでも酒飲むんですわ。
そしてガハハと笑う。
つまり、公演に望む態度としては、だいぶゆるいのです。
そしてまた、そのゆるさが客席をニコニコさせるという。
 
オーケンにしろ、民生にしろ、個々の「キャラクター」といえば簡単なんですけど、仮にあの2人が今回の福岡での稲葉さんと同じ状況だったとして、それを観た私はどう思うんだろうな、とか考えましたが、たぶんワハハと笑って「あら、やっちゃってるな、お大事にねー!」で終わる気がしています。
 
そう言う意味では、稲葉さんの姿勢っていうのはとても美しくって気高くて、我々ファンにとっても誇らしい限りではあるんですけど、個人的には、願わくば、先の2人のボーカリストのように、もっと気楽に、歌を歌う ということが「仕事」という概念から少し離れたような、楽しい気持ちも持ってくれていたら安心なんだけどなぁと思っています。
 
完璧を期待している方もいるでしょうし、バッチリとキメる稲葉さんがいいという方も(ご本人含め)いると思うんですが、私はニコニコ笑って、「あ、今日は調子悪いかもテヘペロ」くらいの温度感で構わないんです。
むしろ、たまには人間味が欲しい。
とは言え、この思いはご本人に伝わらないでしょうし、たぶんそれでいいんですけど。
 
なんせ、日産で「私は無理に無理をします、『仕事ですから』」と仰ってましたもんで、お考えが変わったり姿勢が変わることはないと思うんです。
それもまた一つのボーカリストのかたちなんでしょうなぁ。
 
つまりは、メロン兄弟(94年のべろべろに酔っ払いながらやったお遊び公演)の時のようなマインドも見せてほしい、というお話でした。
ただただ、推しが笑う所を見たい。
「僕、稲葉でちゅ!」
と、赤ら顔で。