オモウトコロ

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B’z presents UNITE #01 配信

当時、ニュースを見たのはスーパーで買い物終わったあとでして、公式の発表からは1時間くらい経っていたんですが、まあツイートしたよね。「ぎやあああああ」と。

叫びのディレイを起こしてしまいましたが、まあなんとも想像し得ない企画を持ってこられたもんです。邦楽界の天下一武道会

 

フェス隆盛の昨今ですから、そろそろビーイングに所属するアーティストの単発イベントぶっ放さないのかなとは常々想像してましたが、まさか、邦楽界には実のところあんまり横にも縦にも繋がりが薄そうで、それこそフェス自体の出演も少ないBさんが「主催」で企画するとは、という驚きがありました。

で、#01と銘打たれているのに最初からトップギアのメンツということでそこもかなりなもんで。ありゃーこりゃ本気だなーと。

 

Mr.Childrenは東京ドームで一度大変運良く拝見できたことがありまして、桜井さんがその笑顔と相対するように、つま先に力を入れるようにギュッと足を踏みしめて花道を駆けていくお姿が忘れられません。

 

GLAYさんは大昔に観たことある気満々でしたがまさかの…ありませんでした!HISASHIさんのサイドプロジェクトACE OF SPADESを氣志團万博で観てたのは確実ですが、完全に思い込みだけだったという。どういうこと自分?

 

いずれにしろ、大変残念なことにこのUNITE初日から予定が入って「いた」(結果的に緊急事態宣言延長で消え失せましたが)ので、チルさんとの対バンは諦めました。

一方、GLAYさんに関しても、月末の平日という業務的なアレと、直前にテレ朝のドリフェスを観に行くことは決まっていましたので、大人しく配信を待つ形としました。

 

それにしても、コロナ禍でなければこの企画が生まれなかったかもしれないけれど、コロナ禍じゃなければ…必死にチケ取りして、うまくゆけば友達と遠征していたかもしれないとも思うと悔やまれて…なんだか不思議な感じ。

 

さて、肝心の配信ですが、Mr.Children(昔からファンの友人の呼び方に倣って以下「チル様」とします)さんもGLAYさんもとかく楽しかった。

二組とも、どちらかというとわたしの音楽の好みとは若干違うジャンル(私は普段B'z以外はHR/HMが中心)だとも思いますし、現にきちんと拝聴したことはこれまであまりなかったんですが、実のところBさんよりも二組の方を再生する時間の方が長くなるほど楽しみました。

 

チル様は空間を丸ごと彼等の色にしてこちらが吸い込まれるように聴きたくなる。まるくて柔らかい音でまとまったバンドサウンドが、桜井さんの声を最高の形で響かせるやり方を熟知しているようでもあって、ここに余計な砂粒一つ落としたくないな、といった具合。曲ごとに景色が想像できる音なんだよなぁ。そして個人的にはドラムのJENさんが大笑顔で叩く様は大変好みでありました。

あと、不思議なことにやっぱりこんなに王道大メジャーリーガーなのに、バンドの「バックグラウンド」が分からない。「きっとああいう曲とか、あんなバンドとかが好きでこうなったのね、ふむふむ」とか…そういうのがない。どの曲も顔が違うのに「チル様」だと分かるし、「チル様」なんだ。なんか破綻しそうにない。なんだろうか、あの空気感は。というか、「空気を操る感」は。

彼等が何を聴いてきて、そしてどうやって咀嚼してきたのかが知りたいなと思わされる。桜井さんが「勝ち負けじゃない」と仰ったあたりの葛藤(?)は、実にお人柄が滲み出ていているようで、そんなところもきっと長年支持されているところなんだろうな。配信のあった1週間はチル様パートを観てから就寝してました。

 

GLAYこと函館が生んだ四匹の羆さんは、格闘技さながらの煽りVTRを仕込んできた(Eye of the tigerっぽい曲の時点で手が込んでる)あたりでツカミから拍手だったんですが、曲が進むにつれて「あれ?もしかして」…と、チル様とは逆に、バンドの背景が何となく読み取れたのが面白かったです。

系譜としてエクスタシーレコードX JAPANYOSHIKI発)だという知識はあったものの、意外にも80'sジャパニーズコア/パンクの成分があるっていう。「出自がV系の割には、メタルではなくポップロック」という先入観だったんで「え!そっちなんだ!」という驚き。いやよく考えたらメンバーの年代的に通っていそうですが、全然知らなかった。そんな訳でCrazyDanceという曲とはまたどこかのフェス会場の芝生で出会いたいので、ぜひフェス出て下さーい!。

あと、JIROさんのベースが特に鳴りわけが綺麗で良い音だったこと(&見た目と違う低音ボイス!)、HISASHIさんがゼマティス(ゼマイティスと最近は言うらしい)の見た目よろしく硬質で個性的なギターなのに対し、長身で転がしに座って弾く様が出来すぎててズルいTAKUROさんが、黙々と弾くタイプではなくオラつき系だったこと、そしてTERUさんのMCが『事 前 情 報』通りだったこと(「GLAYというバンドの名前も全て忘れて音楽を楽しんで」は迷言けだし名言)など、個々人のキャラクターがとてもわかりやすくって、もはやこれ漫画なんじゃという。

 

これ以上書くとどちらのバンドも数千字越えそうなのでこれまでに止めますが、やっぱり長く続くバンドってのは、こちらが持っているパブリックイメージ以外にも奥深い魅力が存分にあるんだと思い知らされました。これだからイベントとかフェスは楽しい。

 

で、その「イベントあるある」的なセッションタイムはこの天下一邦楽武道会にも存在して、チル様とは「Evervthing(It's you)」と「さまよえる蒼い弾丸」、GLAYさんとは「彼女の"Modern…"」「ultra soul」をそれぞれやったわけですが、まあそりゃ最高だよね!!

桜井さんの歌う「さま弾」、Aメロの腰のキマリ具合が、あの柔和な笑顔のままで素早く臨戦態勢に入る様、そのまま他人の曲を自分の武器に変えるような取り込み方…。UNITEの成功が約束されたのはあの瞬間だったと思ってます。あんな芸術ってある?当方だいぶ落ち込んでいたのですが、素晴らしすぎたあの瞬間に救われました。

 

GLAYさんの「ウルソ」はなんと言っても圧巻の竿物大集合…画の力がエグい。とても無茶でいい。大賀さんとGLAYのメンバーって画もとてもいい。

そして対バン相手の曲に乗り込む稲葉さんと松本さんに関しては、知ってたけど2バンドの曲ともに、止まらない・止められない「自我」。

ご本人がたに決して主張しているつもりはなくとも(事実、GLAYさんと始める前に「失礼します」と言った稲葉さんの謙虚さがよりギャップを生むんだけれど)、「いなば」と「まつもと」というデカめのスタンプを他人の曲にバアアンと押していくかのような、そんな戦い方。

 

「Eveything〜」では松本さんのトーンが丁寧に優しく、さも「?元々原曲から居ましたけど?」顔で潜り込んでいて、稲葉さんは詩的な世界を「なるべく邪魔しないように」という気遣いを見せるかのごとく、張り上げるというよりは声を置いていくような繊細さで桜井さんと歌を共にしておきながら、ラストをシャウトで持っていくっていう。

 

一方、「彼女の〜」ではソロパートを献上された松本さんをGLAYさん達が囲み、王の風格を露わに。稲葉さんはどちらかと言うとテンアゲ気味で各メンバーと絡みを楽しむように、あちらこちらに笑顔で跳ねながら歌う。ラスト、TERUさんに促されて転がしに揃って立った稲葉さんが、フリを合わせてシメるというところまで、十二分に楽しみながらのセッションだということが伝わってくる。

特に稲葉さんは両曲ともに普段はあまり堪能できない、低音の魅力も堪能できて…ありがたやありがたや。そう、長年こういうことがB'zさんにはなかったので、こういう掛け合わせて生まれるマジックが実際に見られるのは本当に楽しかったです。いいぞ!もっとやれください!

 

さてこの天下一邦楽武道会の主催たる我らがBさんについては、「ドリフェス」で感じていたことを、残念ながら今回しっかり再確認してしまったーあいやー!という側面がありまして、まあ勿体ないんですが、怖くてあんまり直視できなかったりしてました。

ただ、例えば「LOVE PHANTOM」のイントロ前や、「孤独のRunaway」のアレンジが、川村さんのおかげか意外にもHRからのプログレ寄りの表情を見せてきたりというように、個々人の個性を活かしたアレンジに持っていこうという、安全牌を持たないアグレッシブさとフレキシブルさがあるよねーそういうとこいいーとも再確認しましたので、一様に落ち込むことだけでは終わらずにおります。あと、稲葉さんと松本さんは果たしてイヤモニで何の音を返しているんだろうかということが今更ながらすんごく気になりました。そりゃ長年やってる自分の曲だからそりゃそうだろうけれど…尋常じゃないタイム感キープされてんだな、と改めて。

それから、「そしてやっぱりこの景色…景色…景色…なんてきれいなんでしょう!」という稲葉さんのMCも含め、久しぶりの有観客ライブに破顔するような瞬間が多かったようにもお見受けしたのはやっぱりこちらも嬉しかったですね。

 

そもそもこういった交流が本当にこれまでほぼみられなかったB'zさんが先頭を切ってイベントを企画したってこと自体、超大歓迎の心しかないので、是非是非対バン化学反応をこれからも拝見したい所存であります。

 

というわけで、#02は一体どうなるんだろうなーあんなバンドとかこんなところとかとやらないかなーという妄想が捗っております。

「もうB'zとの対バンはいい(要らない、の意)!がっつり持っていかれる!今度はみんなと同じ客席で見てます!」と半ギレ気味に高らかに宣言したTAKUROさんが、次回、客席でどんな顔で見守っているかも見てみたいもんです。