オモウトコロ

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SING ネクストステージ観ました。

映画というもの自体にあまり親和性がなくて(理由:感情のジェットコースターは疲れる、音響良すぎて疲れる)、これまでも映画館に行ってまで観た映画ってほぼ音楽関連ばかりの私が、ムビチケを買ってまで行くことになった「SING2 ネクストステージ」。

 

我らがB'zのシンガー「稲葉浩志 初声優挑戦」のニュースの意外性に心底驚きつつ、なんだかとても楽しい気分になったものです。まぁ勿論、同時にある種の不安を抱きまして、別に上手下手はどうでもいいんですが、私がさらに苦手なミュージカルだったらどうしようと思ってました。なんせそもそもこちとら「SING」の存在すら知らなかったもんで。

 

ところが良い具合にプロモーションがきっちりしていたので、公開前に前作がTVでオンエア。予習とばかりに漫然と観たら、おお、ミュージカルじゃなくて、ストーリーに無理なく音楽が流れるのね。しかもどこかウキウキと楽しく面白いじゃないですか。

そんなわけで、公開初日の夜、仕事の後に観に行けるように準備…してたら神による「お前は絶対に初日には行かせない」という仕事運がご用意されていたので、心の中で罵詈雑言を唱えながらその日を終えてしまったために、翌朝の回に鑑賞。

で、感想としては「また観たいと思った」。しかも字幕版と吹替版どっちも観たいと思った。映画好きじゃない民として生きてきた自分としては、なかなかそう思い至らない感想で自分で驚きました。

やっぱり音楽が中心となっているのが私には良かったみたいです。

ど頭から曲に乗せられて指先でリズムを取りたくなる。Ms.クローリーがOzzyのMr.クローリーじゃなくてSystem Of a Downの「Chop Suey!」を合いの手入れながら聴く車の運転シーンは笑ったし、アイナ・ジ・エンドちゃんが歌うThe Struts「Could Have been Me」は原曲の力強さに華やかさが加わって実に爽快だった。元々英語詞で覚えてるところに日本語詞が乗っかった時に「違和感が残って気持ち悪くなるんじゃないか」という懸念は杞憂に終わり、アイナちゃんの引っかけるような歌い方もポーシャの天真爛漫さを表しているようで、(Strutsの)ルークの声や歌い方とは全然違うけれど、それが逆に鮮烈で良かった。

あとはスキマ大橋さんの声は天下一品だなと再認識しました。ともすれば細くなってしまいそうな美しく高音の通る声質なのに、尋常じゃない声量をお持ちだというのは、かつてイベントで拝見した時にそりゃもう驚いたんですが、ダイナーで歌い出すシーンから激しく動きながらのバトルシーンの幅広い魅せ方は氏ならではだったんじゃないかと。

さて、我らの稲センセの「歌」はよく知ってるので「演技」について言及しますと、これまでB'zとして・ソロとして数多のステージをこなしているのは周知の事実ですが、振り返ればかつては自作のコントでの刑事役やネイティブアメリカン役、砂漠爆走カーチェイスOPムービーを撮ったり、ファイト一発的なCMパロディをこなしたり、井戸に話しかけたり、長尺で1人ごちてみたりと、クレイジーな役からクレイジーな役まで幅広い演技経験とステージ歴が長いので、あんまり心配してなかった……と言ったら嘘になりますし、贔屓目五億倍なので一般的な感想とは異なるかもしれませんが、違和感なく、そして最終的には泣かされたのでキャスティングの方には沢山の蜂蜜入り紅茶を差し上げたい気持ちです。

稲センセの喋り声はもともと低音ですが、それを更に倍音効かせて低く喋ることで、「引きこもっていた敵対心バリバリライオン」っぽかったですし、予告で我々をおののかせた、滅多に本人からは聞けないであろう「失せろ」のような強めワードを聞く機会が出来たことは、長年のファンとしてはなんとも楽しい部分でありました。

亡き妻との写真や、玄関脇の車椅子に、そして喉にいいであろう蜂蜜入りの紅茶に、バスターとアッシュが怪我をした後に「電気柵触るな」の看板を立てる姿に勝手に色々思いを巡らせて、実に人間味ならぬ「ライオン味」のあるキャラクター像だったこともこちら側が感情移しやすかった。

クレイ・キャロウェイが映るたびに鼻のあたりの短毛をそやそやなでなでと触りたいなと思いながら、いつのまにか彼と一緒に「歌うことへの葛藤」から「歓び」までを感じられて、日頃のあれこれを全て吹っ飛ばすことができた時間でした。

あとお笑い第三世代直撃マンとしては、「ウッチャンと稲葉さん」という、これまで「風を受け走る君には怖いものは何もない」という名曲以外には関連性が無かった同世代のスターが事実上共演したのもたまらんかったです。

…え?「風を受け(以下略)」を知らない??あのUN'zですよ??…オフィシャルは当然無かったので詳しくは言えませんが、Youなんちゃらで検索すると引っかかって観られるんじゃあないですかね。知らんけど。

ああ、楽しかった。来世、私が人間かヤマアラシに転生するのであれば、長澤まさみのようになりたい、そんなことを思う春です。

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