オモウトコロ

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B’z presents LIVE FRIENDS 配信視聴レポ

生のライブを体感することが叶わず、悲しみに包まれて他界する危険性から、配信を視聴するかどうかを悩むところまでいった激レア公演を、心身のコンディションをなるべく整えて家で観た記録です。深呼吸は大事。スーゥ…ハァー…。

調弦の音。

暗転。

拍手。

B'zのこれまでのライブとは明らかに異なる厳かな空間に小野塚さんの美しいピアノの音が響いていつかのメリークリスマス reprise」。ピアノのみの原曲に、ストリングスが加わった形に。

シャララ…とウインドチャイムの音と、1,2,3.4…とカウント、泣きの松本ギターが聞こえると、紗幕が透けていく。松本さんのゴールドトップのDCを弾く手元が映る。

「僕の罪」。まさかど頭からこれとは…。がつくほど水色のシャツにヒョウ柄のスーツに身を包んだ稲葉さんは、嬉しそうな表情で珍しくシールド付きマイクを持っている。歌う前から足を上げて体をひねるようにしたり、とびきりの笑顔が見える。すでに情報が多い。罪な男である。
松本さんは黒のスーツ。そう、それでいい…ゴールドトップが映える。
これだけの大所帯だと、原曲で特徴的なガラスが割れるような音なんかも(たぶんクラッシュ)シンバルを叩く河村カースケさん、パーカッションの斎藤ノヴさんが細かい鳴り物総動員で表現したり、女声コーラスは坪倉さんが、と、とにかくあらゆる要素が生で再現できてしまう。

シャンデリアが頭上で光るステージには、そのほかにもホーンセクション、そして、我々にはお馴染みの大賀さん、今回も5弦ベースで参加している(ウッドではなくエレキだった)YTさん。目のやり場が多すぎじゃい。どこか可愛らしさがあったスタジオ盤と比べて、1音下げで大人の重厚感が出ている。
ラストは坪倉さんが「あなたの罪」と歌う中、稲葉さんが薄くコーラス、「my baby...」と口を動かしている様子も。

ピンスポが松本さんと小野塚さんにあたって「Love is…」。ピンクmusicmanを弾く松本さん。途中、暗がりでリズムをとる稲葉さんの横顔も映し出される。


穏やかな前曲から一転、「というわけで本日は大所帯でお送りしていまーす!」と主張するかのように、各セクションが全開派手派手にお送りする「恋じゃなくなる日」。原曲より半音下げで、ホーンやストリングスがより映えているのではなかろうか。当時の稲葉さんの声(特に低音の成分)も味があって結構好きなんですが、現代の稲葉さんは艶があってすてーき。Cメロのタメて歌う余裕なんかも、今の稲葉さんだからできることなのかもしれない。松本さんは引き続きピンクちゃん(大賀さんも緑musicman)稲葉さんは引き続きシールドマイクではあるものの、マイクスタンドを使う。

そういえばこの曲はギターソロならぬ、ピアノソロ。サビ前のコーラスをおおちゃん・YTが絶唱するシーンも見られる。とにかく音数が多いのでゴージャス。曲終わり、真正面を向いて深くお辞儀する稲葉さん。

スネアを取り替えるというニッチなカースケさんのシーンをチョイスした映像班の方、いい酒呑んでください。


MC

「どうもこんばんはー!お元気でしたか?」と手を額にやって客席を見渡すしぐさをしている稲葉さんは、「本当に会いたかったです。」と感情を込めるようにMC。

「こんなに多くのお客様を目の前にするのは、本当に久しぶりですね。本当に元気でしたか?…嬉しい。」と、やはり感情があふれるように言いながら、呼応して鳴り止まない拍手に対して「もう、いいです、大丈夫です。」とぶったぎるところまでがワンセット。

「会えなかった気持ちを、我々全員、一丸となって曲にこめていきますので、ゆっくり・たっぷり楽しんでいってください」

 

「傷心」ワウを踏みながらカッティングする松本さん。
イントロからそらまぁパーカスとストリングスが生きてくるよねぇ!!心地よいグルーヴを生み出すパーカッションに、1番A・B「文字だけを見ると前向きな」歌詞のバックで、低音で荘厳に鳴るストリングスが悲壮で不穏な雰囲気を醸し出すっていう。1サビの小野塚さんのフレーズとか、そらまぁ最高のシチュエーションですよねぇぇ!!(最早キレ気味)

フルートの赤木さんが2番から参加。2番サビ直前のカースケさんのタイム感とか身体ひねるよじる身悶える。2サビ終わりの「巻き込まないでくれぇぇ…」を稲葉さんがすがるように歌う(しかし直後に「Oh!Ho!」とテンアゲ感も)と、食い気味に入ってくるギターソロ。ゴールドトップを弾く松本さんの後ろでフルートも絡む。アゲにアゲてくる掛け合いに稲葉さんはクラップしながらステップを踏んでいる。

ところでアウトロのシャウト部分、This heart is 「stone」なんですね。長年snowとどっちかなって思ってた(曲順としてsnowからの傷心だったから)のは内緒。25年後に解決。「get close to me」の前にはスタジオ盤でははっきりと発音していなかった「don't」を付けている。アウトロは坪倉さんのおかげでソウルフルになってめちゃくちゃカッコいいんですけれど、あれは観るにはいささか格闘技さながらのバトルの白熱感があって、少し笑ってしまった。原曲ではフェードアウトのところを、イントロを持ってくるアレンジに。ラスト、「no more…」と発した稲葉さんに「Yeah…」と坪倉さんが応酬して締め。暗転して拍手の合間にも「Hoo!」いう稲葉さんの声が聴こえる。

 

続く「BABY MOON」は今回のライブでの私的ベスト。イントロ前に追加されたドラム・パーカス・ピアノ・ベース・ギターによるムーディーなセッションからの、原曲におけるイントロど頭のギターの音、歌入り直前のカースケさんのタムの音の時点で最高が過ぎる。空間全体が素晴らしい。
大所帯なのにどこか抑えた「夜の静寂」を表すようなアレンジ、全編に渡るギターの色気よ。(ピックガード付きのチェリサン)

この曲に関しては松本さんのソロも原曲の音色寄り。少し暗めの照明も、サビの後半のフルートとストリングスが空間を震わせるのも、曲に充分に酔わせてくれる。

珍しくポケットに手を入れたまま歌う稲葉さんも、喋るように、時に吐息を混ぜながら。役者だなぁ、おい!「いっそはじめてしまおう」と恍惚とも言えるような表情で歌う稲葉さんの姿に、「私だってぎくしゃくしたい」と視聴した数十万人が思ったことでしょう。

FCインタビューで答え合わせした限り、石原裕次郎になりきったのはまさかこの曲だったりして(ポケットに手を入れるというヒントくらいしか)。寒くてアイスレモンティーを用意出来なかった事だけが無念。


MC 大賀さんによるギターサウンドに乗せてMCがあるというのも珍しい。
客席に向かって「本当、久しぶりですよね。あの…どうされてましたか。いろいろありましたよね。」なんて、どこか手紙の書きだしのように話し出す稲葉さんも珍しければ、「ちょっと前までこんな光景が見られるなんて、本当に想像もできなくて、こうやって皆さんが座ってこちらを見て、音楽を聴いてくれている姿、夢みたいです。
美しい夢のようです。
でも、夢じゃないですよねぇ?(手を耳の横にあてながら)夢じゃないですよね?」と、むしろ客席側が言い出しそうなことをおっしゃる。そうですか、そちらが望んでくれているのなら、この上ない幸せ。画面越しだけれど。

「じゃあ、いきましょうか。」と「ある密かな恋」。

木目DC。メンバーみんな、ギターのカッティングに合わせるように後ろノリ。
現代でいうところの「推し」への思いを綴るという、稲葉さんの書いてきた歌詞の中でも面白いテーマの曲だと思うのですが、曲自体がギターのカッティングでハネた楽しげな印象もありながら、サックス、ストリングスの効果もあって普通にカッコいいっていうね。「ハネ」はノヴさんはタンバリンやウッドブロックを、ストリングス隊は指で弦を弾く形で作っている。
元々曲自体もチャーミングな仕上がりですが、稲葉さんの歌い方も少し遊びが入っているようで、原曲はどちらかというと歌い上げるというよりはマイクに向かって綴るような歌い方のところを、リズムに乗りながらハネて楽しげ。イントロから足を上げながらクラップし、手を額にかざして、カッティングに徹する松本さんを見遣る仕草も。「君を思ーえばぁ↑」の思わぬところで声量の凄さ出ちゃう感じの歌い方いいよね、いいよね。「人生にはきっと楽しいことがあると思う」や、「君が僕を誘惑するのはー」と歌いながらYT&Oを指差したり。
「他にはなにもいらない?」は「なぁい?」と少しおどけるように。溢れる笑顔。ラストの「何も変わらない」も語尾を上げるようにメロディを変えて歌う。CメロのYTさん、ギター師弟のアレンジもよきよき。タンバリンでシンバルを叩くノヴさんの姿が映る。大サビ、「君を想って」のくだりは松本さんの方を向いて、徐々に近づき、身体を曲げながらこれまた楽しげに歌う稲葉さん。そのあと師弟ハモパートだったこともあってか、少し体を稲葉さんの方向に向けたものの松本さんは忙しげ。


そのままIIの世界は続き、インストナンバー2曲「sasanqua」〜「冬の陽」。シャンデリアが赤く光り、ピンスポが大賀さん、松本さんを照らす。2曲の間、松本さんはピックガードありのGT。大賀さんはレスポールストラト。唇を噛み締め唸るような表情も。
シェーカーとタンバリン、カバサで冬っぽさがより濃く感じられるのってすごいよなぁ。画面は暗いけれど、横からのショットが多いので、カースケさんの手首が柔らかいのも良くわかる。
「原曲を死ぬほど聴いてきた時あるある」としては、「ライブバージョンになった時にいつもあるはずの音が無くてちょっとガッカリしがち」なんてことも時にあるのですが、この曲における再現性には「松ちゃん!!さすが!!!最高!!強めのバーボンを私にくれ!!飲んだことたぶんないけど!!」というお気持ちになりました。
しかも拍手がないので小野塚さんのアウトロの残響までしっかり聞き取れて(現地勢本当にナイス過ぎるマジで感謝)言うことなしです。

小野塚さんの儚げなピアノトーンのインプロから、そのまま静かに、あの雪がしんしんと降り積もる情景の浮かぶ「SNOW」のイントロへ。引き続き最高。
ジャケットを脱いで青いシャツのみになった稲葉さんはマイクスタンドを掴みながら歌う。松本さんはOX blood、大賀さんはストラトとアコギを担当して大忙し。
Aメロ、ノヴさんの振り落として鳴らすカバサが雪を踏み締める音のよう。A・BともにYTさんのベースがとても映えていて、サビとの緩急があるのが実にカッコいい。カースケさんスネアのサスティン(というべきか)、SNOWというタイトルにピッタリ。サビ直前のボトルネック奏法は大賀さん。2番Bメロにオリエンタルなギターフレーズが追加されて、師弟ハモ。

ファルセットを交えて歌う稲葉さん、Cメロ「雪よ止まないで今は」の部分はかつてMステで披露した時よりも情感の篭った強さで地声で歌いあげる。(ディレイのコーラスは同期だろうか)

最後の最後だけマレットでシンバルを叩くカースケさんを背に、放射状のライトに照らされる稲葉さんの横顔でエンド。
カーッ!!完璧じゃねぇか!!ちくしょうめ!!(※抑えていた嫉妬の炎、燃え上がる)

こちらも原曲に比較的忠実に「きみをつれて」。皆人生で一度は吹けるようになりたいと憧れるサックスソロから。シェケレの音や、前曲と違い、ぺたりと叩きつけるようなスネアが印象に残る。おおちゃんは…出ました!ダブルネック!YTさんとともに、後ろノリでリズムに乗る。

2番Bメロのバッキングギターみたいな、こういう細やかなアレンジが好きな訳で、大賀さんがいることによってより再現性が高くなっている。そして、坪倉さんのコーラスも正に「待ってました!」なハマり方。なかったら全然印象違ったろうな。

アウトロのギターソロ前、「Ohー」と入ったシャウトも、ドラマティックなストリングスも、絶妙なシンバルの音も、勿論泣いているギターソロも(大賀さんのハモリも)、最後の美しいピアノも、ありがとうございます、どこか見知らぬ世界に連れて行ってくれたかのようでした。この曲でもタンバリンでシンバルを打つノヴさんがアップに。観客の拍手も気のせいか熱を帯びているように聞こえる。


らー♪と調弦の音が響いて、ストリングス隊による「Friends」。ビジョンにはIIIのジャケット写真が映し出される。これが…この曲ができるってのが…本当に生で聴きたかったぎりぎりぎり(歯ぎしりする音)。上下に深く響く弦の音、心地良すぎる。


スティックによるカウントが1,2で聴こえて、急に世界が開けるように明るくなったかと思ったら…ここからはFRIENDS IIIパート。どちらかというと暗く冷たいイメージがあった「II」にくらべ、あたたかな冬の陽射しが感じられるような、開放的で、いくぶんファンキーな音。「シーズンエンド」。ビジョンのジャケ写の木の周りに緑が生えている芸の細かさよ。

坪倉さんやストリングス隊が拍手を煽り、赤いベロアのジャケットを着た稲葉さんもマイクスタンドを掴みながら靴の先を左右に上げてリズミカルに歌う。

しかし、歌詞は「叶わぬ恋なら忘れておしまい」。ダブルミーニングにも捉えられる(お終いと、促すような「おしまい」)このフレーズに代表されるように、物悲しさのある世界観はFRIENDSシリーズのそれ。

稲葉さんは2サビラスト「雪を待って」のあとに「ハッ!」と発声して片脚を上げたり、黒DCでギターソロを奏でる松本さんを手拍子しながら見やる(このときの大賀さんが特大笑顔)、「(The)day will come...」の時に両膝をくっつけて左右に振りながらリズムをとるなど、動きが多くなっている。ギターソロ前の各パートの弾け方がさながら「全力!総力戦!センス大集合!」で笑っちゃうくらいスゴい。


一転、ビジョンには窓枠が映される。マイナー調のもの悲しげなピアノソロから、椅子に座った松本さんがアコギで爪弾く音が聞こえて「Butterfly」。大賀さんもアコギ。弦が擦れる音が聞こえたよ…。
苦しげに目を閉じて、切ない歌詞を歌う稲葉さん。1番サビは同期の低音コーラスあり。バイオリンを指弾き(と言うのだろうか、指でつまんで弾くような弾き方)する音が、2番頭からはフルートが美しく舞うように。
始まりは独白のようで、アコギ、ピアノ、ストリングス、フルートと徐々に音数が増えていき、1番サビが終わりかけてからようやくベース音が入ってくるという、なんともドラマティックな劇場型のこの曲はなかなか生で演奏するというのは今後難しそう…ぎりぎりぎりぎり(歯軋り増加)。リズム隊もYTさんの音は薄め、ノヴさんの鈴の音とシェーカー、カースケさんのバスドラ代わりのカホン(ただし優しいタッチ。上に座らないで斜めに置いて叩く人は初めて見た。)が鳴る程度で、ストリングスとフルートが音の大半を占めるのはなかなか珍しいのでは。最後のウインドチャイムがきらきらと「IN MY DREAM」という言葉を彩るのもにくい。


大賀さんのギターをBGMにMC。

FRIENDSシリーズについて「FRIENDSというテーマが遠のいていって、皆様の記憶からも消えていきかけ」なんておっしゃいますけれども…
こちらはしっかり・はっきり・くっきりと、さっきから歯軋りで歯が削れる勢いの思いで覚えておりますが何か!!!(キレ気味に)

結構な年月が経ってこうやって生で演奏することが「ちょっと奇跡的なことじゃないですか、これ。すごいです。」ということについては賛成しますけれども…奇跡的過ぎてアレなんすけど…もごもごもご…(我が歯、限界へ)。
「FRIENDSやんない?」という松本さんに対し、「やろう!」と「割と二つ返事で」承諾、「やっぱ考同じようなこと考えてんですよ、きっとぉ!」と言い放つ稲葉さんに、ニコニコしながら、頭を掻き、頷きながら応対する松本さん。モウワスレナイデ…。

「カースケさん」と稲葉さんが曲の開始を促して「こんな時だけあなたが恋しい」。

さっきのMCの笑顔を引きずりながら弾き始める松本さんと、クラップしながらYTさんとアイコンタクトをとる稲葉さん。

どちらかと言うとポップな成分がある曲で、サビの階段を駆け上がるかのような盛り上がりがB'zぽさみ。松本さんのギターもロックモードの松本印ですが、本曲は2サビ終わりのピアノソロがあるというのがやっぱり面白い。ノヴさんのコンガに乗せてリズムを取るように「わ!る!く!ないー!」と1音ずつ切るような歌い方だったり、「恋しいー!Yeah!Yeahー!」とシャウト気味に歌ったり、手振りも全編多くて「アゲ」の稲葉さん。

前曲の勢いをそのままに、今度は「THE AOR」というようなトランペット・サックスの効いたアレンジの「ミダレチル」。Bメロのプレイヤー各位の遊びのようにその腕前を披露されてるかのようなフレーズたち、唸るしかない。タイム感よ…。さらにギターソロ前とアウトロのノヴさんの連打の決まり具合、ホーンセクションの盛り上がり具合はこちらもアガる。またもカッティング魔神と化す松本さん。アウトロ、稲葉さんはYeahー!とシャウト。

つづけざま「もう一曲、FRIENDS IIIから」と曲紹介があって「GLOW&GROW」。ふたたび、冬の静けさを表すようなゆったりとした曲。ストリングスがメイン。カースケさんは1番はほぼリムショットで。で、スネアを変えたり、インタビューでもスネアのチューニング違いを用意していた話でスネアに注目されがちですが、やっぱりタムの音もヤバいと思う。なんだろう全編に渡るあの柔らかさと深さは。あったかい。ノヴさんの鈴のシャンシャンシャンシャン…という音がやはり「冬」のイメージを引っ張ってくる。ロマンティック。

客席に「我々としても初めてのかたちのライブでしたけれども、こうやってみなさんに聴いてもらえて、最高に幸せでした」と稲葉さんが今日のライブの謝辞を述べてから「どうしても君を失いたくない」。

Aメロはほぼピアノとボーカル。どこか力強い印象のあった5ERAS版と比べると、ウェットに、ゆったりと感じられる。カースケさんのタイム感やホーンセクションの音のやわらかさ、そしてどこか情感たっぷりに思えるような、稲葉さんの余白のある歌い方がそう思わせるのかも。

「SEASONS」を師弟ギターで奏でて本編が終了…するかと思いきや、おなじみのピアノフレーズが。スティックのカウントが入っていつかのメリークリスマス」。

すまん!!忘れてた!!!マジで「わたくし、もうおなか一杯」状態だった!!
いつもならこの曲がセットリストに入るのがレアになりそうなものですが、ことLIVE FRIENDSにおいては逆にメジャー曲になる不思議。ストリングスがとても活きてくる。この曲でもノヴさんの鈴の音が「クリスマス」を思い起こさせる。効果~。
長い客席からの拍手のあと、FRIENDSの世界の終幕を表すようにreprise。

 

手拍子のみによるアンコール。

ふたたび幕が開くと、謎いロングジャケット的な何かをお召しの稲葉さんと、ベストを白に替えた松本さん。アンコール1曲目は「結晶」
…なんですけれどね、大変に申し訳ないことにわたくし、曲の存在自体をほぼ忘れていたので逆に新鮮でした。このあとインタビュー見て「私、松ちゃんと同じ!(忘れてた、というところだけ)」ってなりました…すんません…。
やはりこの曲で出色なのは「電話してもいいですかね?寒いねって言いたいだけ」という、このフレーズだけで背景が色々想像できる強力な歌詞のところでしょう。

 

MC 多分これまでのB'zのライブの中で最長のメンバー紹介。これまで着席で聞いていた客席に対して、立ち上がっての鑑賞が可能なことを告げ、「いけますか!ガーデンシアター!じゃあ行っちゃいましょう!!」と景気をつけてから、アンコール2曲目へ。

曲は別名「破壊神」こと「JOY」。

別名はもちろん私が勝手につけました。危うく「他界、待ったなし!!」になるところだった。あぶねぇあぶねぇ。すんでのところで踏みとどまりました。JOYのスタジオ盤に対する私の想いは前エントリに書いた通りで、このLIVE FRIENDSの曲調を想像したときに「やるんじゃないか」と思ってきてはいましたが、実際の映像観てそりゃ驚いたもんです。
しかも。
JOYをやる前のMCで彼の方はおっしゃいました。

稲:「キラキラした曲」と。

え?

JOYが?

キラキラ?

そらもう驚きましたよ。私の中の「JOY」は、これまで決して「キラキラ」という形容詞で修飾したことはなかった。
確かに、イントロからのギターのカッティングはどこか可愛らしさがあって、全編どこかファンタジックな雰囲気もありますし、1番Aメロでは歌詞に引っ張られて、絵本で描かれるような夜空に星が出ている風景も思い描きますけれども!!その後の歌詞が。どちらかというとデッドな音作りで、閉じた空間にいそうな主人公が「叶わないあのひとへの想いを馳せる」ところを!想像してたから!!てっきり「カラッとしたドロドロ」かと!!!成分としては「YOU&I」とおんなじ「切ない箱」に入れてましたよ…。ハァハァ、ゼェゼェ…。いかん、一息でべらべら喋るヲタ気質が出てしまった…。

で、実際に聴いてみたらば本当に「キラキラ」としたライブアレンジになっているっていう…!フルート赤木さんによるインプロ、稲葉さん自ら「1,2,3,4ォ!」とカウントを取って、尚且つ「He-yeah!」と発してスタート。原曲にない楽器(ストリングス、ホーン)がある時点でどうしても派手にならざるを得ないですし、実際サビの頭に強めに入っているだけでも明るく弾けるようになってましたよね。でも、ちゃんとAメロは原曲どおり各楽器の音は抑え気味なので、より弾けたように印象に。それにしても愉しげ!!稲葉さんはさも楽し気に拍手を煽る。「想うなら満ちてくるJOY」の後に「HOO!」って言っちゃうくらいだもの。ギターソロも原曲の単音での儚さと比べて、弾き上げるイケイケのゴリゴリ。仮に私が当選してアウトロ前のソロを生で聴いていたら泡吹いて倒れていたかもしれない。スタジオ音源と同様のタム回しをカースケさんがキメたあと、アウトロのカッティングを師弟でこれまたこちらの期待通りにキメる破壊神の威力よ。

いや、忘れてた、忘れてたんですよ。そもそもタイトル「JOY」なんだと。主人公は「想うなら満ちてくる」と言ってるじゃあないか。もしかして、想う人がいる悦びを歌っていたんじゃあないか…。稲葉さんも現に「That's my JOY」とアウトロに追加している。今更気がつかされました。今度からは私の中のキラキラ箱「HOLY NIGHTにくちづけを」と同じ箱にしまうようにします…。ちょっと違うか。


そのまま、ピアノメインでサビのリフレイン(と坪倉さんのボイス)があってからの「TONIGHT(IsTheNight)」

この流れ、仮にこの曲を5ERASでやってなかったら、当方トチ狂って皿を数枚フリスビーのように飛ばして窓ガラスにぶつけて割るという悪行で町内を周っていたことでしょう。少しでも耐性出来ててよかった。
5ERASバージョンにくらべ、こちらもかなり部屋の広さ広くなってるような明るさが出ている。やっぱりブラスが本物って強いよね。というか、5ERASと比べてギターが抑えられている。稲葉さんの動きはむしろ5ERASで見られたような足捌き(太もも揺らす)。

ストリングス、ホーンの各セクションが手拍子や一緒にFlyしている様子もあってか、会場全体がハピネスムードというか、LIVE FRIENDSの無事の終演を祝うような祝祭感のある趣に。

「どうもありがとうございましたー!」と拍手する客席に稲葉さんがお礼を述べ、松本さんにもマイクを回すと、松本さんからも「みんなが色んなことに気をつけて」結果漕ぎ着けたと、来場してくれたことに丁寧にお礼を述べて、激レア公演は幕引きとなりました。

 

以下感想。

本公演が発表された時点で「最高」が約束されていたのもあって、チケットの当落においては(少なくとも私が見た限りのついったー界は)当然ながら悲喜こもごもでありました。

序文のとおり、私ももれなく「悲」の方に入っておりましたが、どう考えてもファンの圧倒的多数がそうなるしかないので、配信と言えど見ることができてよかったな、と今は思っています。

実際に目にするまでは「万が一負の感情が湧いてきたら困る」=「内容が最高であればあるほどその可能性が高くなる」と考えて、それはもう恐る恐る薄目を開けて見るような気持ちでしたが、会場の雰囲気のせいか夢を見ているような現実離れした感覚で受け入れられたので、何枚かハンカチを「キィィィィ!」と噛みちぎりながらも案外落ち着いて見ることができました。あ、当然誇張しております。

 

さて、今回においては「セトリ縛り」「豪華なバンド編成」「25年後の新譜(リリース前)」「着席鑑賞」と、特異性がありすぎるライブでしたが、何より珍しかったのは実は稲葉さんのMCだったりもするんじゃないかと。個人的にはjuice千葉マリン雷雨中止時の叫びが、かの方の突発的で感情的なMCとして長年記憶していますが、今回の「夢みたいです」「嬉しい」という飾りのない言葉と、幕が開いた時のあの表情はこれまでになく感情が発露したものだったのではないかと。そういった意味でも中々に貴重でありました。

そもそもFRIENDS IIIが生まれた経緯から考えるとかなり急ピッチでこのライブまで準備されてたんじゃないかなということと、あまりに大所帯すぎるので、ノリさん(木梨憲武)のラジオで松本さんからのFRIENDS公演はここまでというようなお言葉には「仕方がないな」と思いながら、いつの日かこういった普段のバンド編成でないライブがいつか見られたらな、と思っております。

また、IIIについては相当な自信作であることは松本さんも明言されてましたが、それはよくよく伝わりました。

そうそう、今回のこのレポというか感想文大会、大変に難産でした。下書きだけで3種類できてしまった。というのも、皆さんそうだと思うんですがやっぱり曲自体がライブで初めて演奏されるものが多かったこと、あとは思い入れ自体が25年という時間をかけて熟成されすぎてたもんで、「ライブについて書きたい」と、「曲について語りたい」がごちゃごちゃになってしまって全然まとまりやしないっていう。

そんなわけで、いつも長すぎてしまうのを少し抑えたいなということもあって、書き方を変えてみたりしてたら新年はとっくに明けておりました。で、さらにそんな書き方してたらいつかやりそうだとは思いましたが、本編後半からアンコールの文章を一度全て失くしました…保存したはずなのにいい…。キィィィィ!!